A happy wish-Vol.5-
A happy wish-Vol.5-
学校を休んでいるユウギの身を案じ遊戯はマンションを訪ね
てみた。
マンションのエントランスで事前にユウギから手渡されていた
ロック解除用のカードキーを所定の場所に差し込む 
「そこに居るのは遊戯じゃないか!」
聞き覚えのある声 
その声の方に振り返ると
「マリク!どうしてここに?」
エジプトに居る筈のユウギの義兄 
その彼が何故ここに? 

不安な気がする・・・ 

「ユウギから電話が姉さん宛てに合ったらしいんだ」
「貴様等が何故こんな所に居る」 
不愉快さを現に表現する第三者の声 
どちらかと言うと怒気が色濃い様な気がする 
「それより海馬君までどうしてここに?」 
遊戯はユウギが室内に居なければ海馬の所に乗り込む気
でいたのだ 
こんな所での立ち話も何だから三人は一先ずユウギの部屋
に向かった。 
何度押しても人が出てくる気配が感じられない 
ドアノブを引くと簡単に扉が開いた。

一抹の不安・・・

三人が室内に入ると床には砕けたガラスのイルカが・・・
その傍には,明らかにユウギ以外の靴底の跡
「もしかしてユウギ、何者かに誘拐されたのか?!」
「まだそうとは、決まってないよ・・・
僕は、別の部屋を見てくるよ」
海馬は、ユウギが確実に何者かの手によって誘拐されたと
確信していた。
しかし一体誰が??

『 ユウギが貴方に見切りを付けるのも時間の問題ですね
海馬 私はユウギを貴方の手から奪って見せますよ
そしてその為なら手段は、厭わない』

海馬の頭の中を過ぎった台詞・・・
あの男は・・・ジークフリード・フォン・シュレイダーは、確かに
そう言った。
まさか彼の仕業なのか?

その頃、別の部屋を見に行っていた遊戯は 
「これってどう言う事なの!」 
見てはイケないモノを見た気分になった。
その声につられ海馬も遊戯の居る部屋に行くと山積みに
なった段ボール箱 
まるで引越しでもしようとしているかの様 
「やっぱりユウギから何も聞かされていないんだね」
「どっどう言う事なの?何か知っているのなら教えて!」 
マリクに詰め寄ると 
「ボクも詳しくは,知らないけどユウギがエジプトに帰るって
言って来たらしいんだ」
「エジプトに・・・ねえ海馬君ならこの前の日曜日にもう一人
の僕と逢っているんだから何か聞いてない?」 
しかし海馬からの返答は無かった。 
積み上げられた段ボール箱を前にショックを受けたみたいだ

こっこんな海馬君を見れるなんて貴重かも・・・  

不謹慎だがそう思ってしまう

おのれ〜ユウギめ誤解したままエジプトに帰るだと!!
しかも俺のモノを勝手に手を出した犯人を捕まえて海の藻
屑にしてやる!! 

海馬から立ち込める怒りのオーラに遊戯もマリクも背筋が
凍る思いがした。
ユウギのデスクの上に置かれたKCのロゴ入りノートパソコン
を海馬は勝手に起動させる

ユウギが1人暮らしする時に海馬からプレゼントされた物だ
そのノートパソコンを海馬は慣れた手つきで海馬Co.に接続
し何かしらキーを入力すると画面に映し出されたのは地図 
その一画が点滅している 
「海馬君・・・」 
「海馬Co.のホストコンピュータに接続しユウギに取り付けて
ある発信機からの電波を受信しただけだ」 
そこまで聞いて二人は『組織的ストーカーだ』と内心冷汗を
かいていた。 
「ユウギが居るのは童実野埠頭だ」 
そう言うと飛び出して行った海馬その後を二人は,追い掛け
て行った。

きっとあのノートパソコンは、盗聴器や盗撮関係のモノが
フル装備されているのだろう・・・
と遊戯とマリクは、想像した。
海馬のユウギに対する執着心(執念とも言う)は、きっとユ
ウギを見つけ出すだろう・・・

発信機って海馬さんならユウギの身体に埋め込みそうだなぁ〜って思ったんですが
(奥歯の中とかに・・・)




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