A happy wish-Vol.6- |
「・・・」 煩い! 何処から聞こえて来る話し声 薄暗い場所 意識がはっきりしない 頭がボーっとする 躯が思うように動かない ユウギの意識が戻った事に気がついた電話の主が今まで話して いた携帯の電源を切ると 「よう やっと気がついたかお姫様よ」 聞き覚えのある下品た声 寒気する 「キース・・・」 躯を動かしたいのに動かない 「まだ薬が切れて無いようだな」 スプレータイプのクロロホルム・・・ そうだ!オレはエジプトに帰る準備をしていたんだ 押されたインターフォン・・・ 怯えた隣人 その背後に居たキース・・・ キースのような男に畏怖し言いなりになっていた隣人をユウギは 怒る事が出来ない・・・ もし言いなりにならなかったら彼は、酷い目に合わされていた だろうから これから自分は、どうなるのだろうか・・・ お腹の中の子供は? 海馬は、お腹の中の子供の事は知らない 彼には、新しい恋人が居るのだ・・・ 知らせる必要は無い・・・ 自分とは、関係無い・・・のに今思い出すのは海馬の事だけ 相棒や親友やエジプトに居る自分の新しい家族であるイシュタ ール家の事がなかなか出てこなかった。 海馬 最後に逢いたかったぜ・・・ そうしたら諦めてエジプトに帰るのに・・・ 否きっと忘れられない 彼の事を思い続けるだろう だが今の状況ではエジプトにだって帰れない これから先 自分は、どうなるのだろうか? 「オイ!テメェ何 俺の事シカトしてるんだ?」 苛立つキースにユウギは 「これからオレは、どうなるんだ?」 意気消沈に遊戯・・・ 今この時点で自分達の運命を握っているのは、不本意だが この男なのだ 今もしここで機嫌を損ね危害を加えられようものならお腹の子 供を護る事が出来ない 「何だテメェそんな事気にしてたのか? まぁーこんな状況じゃ仕方が無いかもしれねえか・・・ テメーの運命を教えてやるよ これからテメェは金持ちの所に高額な値段で売られるんだよ」 「売られるのか・・・?」 驚きで紅い瞳が見開かれる 一体 誰がオレを買うと言うのだ? もしかして買い手は、既に決まっているのか? 青褪める表情 この現状から逃げる術は、無い きっとお腹の子は、堕胎させられてしまうだろう そして自分は、どうなるのだろう・・・ 「まぁ俺とした事が買い手を決める前にテメェを連れて来てしま ったからこれから買い手探しなんだがな・・・」 その言葉に何故だか安心してしまう 今は未だ自分は、売られる事は無い しかしこの先 買い手が見つかれば・・・ 最後に海馬や相棒達に逢いたかったぜ この場所は、誰も知らない・・・ 誰も自分を助けに来てくれない 自分の身を護れるのは自分のみ どうすればイイのか考えるがイイ案が思いつかない ユウギの事を余所にキースは、携帯を片手に金持ちに連絡を入 れ交渉していた。 しかしなかなか買い手が見つからない様だ まぁ・・・仕方が無いと言えば仕方が無い 海馬が遊戯に御執心だと言う話しは、有名なのだから 海馬を敵に回して無事に済む筈は、無い・・・ ピッ・・・ 「海馬のお陰で全く売れねえ・・・」 悪態を吐きつつも更に電話を掛けている その頃 海馬達は、童実野埠頭に着いた所だった。 |
久しぶりに書いたら闇遊さんの性格が暗くなってしまった。
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