- 「・・・あっ・・・」
- その場に居た誰しもが驚いた。
- 当の遊戯でさえだ
- もしこのまま遊戯が絶命する様な事になれば
- この場に居る者達の死を意味するからだ。
- 今迄 自分達を護っていた羅刹の結界は無い
- 今 自分達を護っているのは遊戯が張った結界のみ
- ブルー・アイズは勢いよく遊戯の首を引き千切った。
- 吹き出す鮮血・・・!?!?
- しかし遊戯の首からは何時まで経っても大量の鮮血が吹き出す気配が無い
- そしてブルー・アイズの口に付着する筈の血痕が付着しておらず
- その代わりに薄汚い布きれをくわえていた。
- 現になった遊戯の首元・・・
- そこには,瀬人から貰った碧い石の着いたペンダントが ブルー・アイズが
- 啄むと蒼い石が反応を返すかの様に光輝きその姿を変え出した。
- 羅刹を護っていた者達は口には出さないで居たが
- 何故 羅刹様が持って居た碧い石が何故この紅い仮面を着けた少女の手元に在るのか?
- 何故 羅刹様でさえ扱えなかった蒼い石をこの者が扱えるのか? いろ
- いろと疑問に思うが そんな疑問を今投げ掛ける時間が無い
- ただ「貴公の名をお聞かせ願いたい」としか言えず
- 遊戯も「遊戯」としか言えなかった。
- 遊戯は今迄 自分と一緒に居たブルー・アイズを彼等の護衛に着け碧い石が
- 姿を変えた新たに現れたブルー・アイズと共に先を急ごうとした。
- しかし数人の羅刹の部下である忍が
- 「遊戯様我等を共に着けて下さい」
- と志願してくれたのだ
- その言葉に嬉しく無い筈が無い
- だがこれから先更に危険が待受けているだろう
- 羅刹のブルー・アイズは、今ここには居ない
- ここに居るのは蒼い石から姿を変えたブルー・アイズのみ
- しかしこのブルー・アイズが自分の言う事を聞いてくれるのかは、判らない
- 遊戯は、知らないのだこのブルー・アイズが以前崖に落ちて行く遊戯を助ける為に
- その身を蒼い石から本来の姿であるブルー・アイズ・ホワイト・ドラゴンに変えた事を
- その時の事を知っているのは、羅刹とカース・オブ・ドラゴンのみ
- 克也とその場に居た他のモンスターは、崖下から飛び立つブルー・アイズの姿と
- それに飛び乗る羅刹の姿を見ただけ・・・
- この蒼い石から姿を変えたブルー・アイズを操れるのは、遊戯のみ
- 「お前達の言葉は、嬉しい・・・
- しかしこれから先 オレは、お前達の命を護れる保障は無い
- それにオレは時と場合によっては、お前達の主にしてこの城の城主 剛三郎を
- 仕留めるかもしれないんだぞ・・・」
- 先程までこの城の案内をしてくれる存在を欲していた。
- それに案内してくれる存在は、今も有難い
- それでも遊戯は、断ると
- 「我等が主は、羅刹様のみ」
- 「貴女様は、我が主を仕留めるチャンスがあったのにもかかわらず助けてくれた
- そんな貴女様を我々は、護衛したい」
- 「オレが羅刹を助けたのは羅刹の弟と約束したからだ・・・」
- それは、嘘だ・・・
- モクバとそんな約束なんてしていない
- ただモクバに自分と同じ悲しい想いは、させたくなかっただけ
- 「弟君が!!」
- 「今 弟君は、何処に居られるのです?」
- 「シャイン・キングダムに居る」
- その言葉に忍達は、安堵の息を吐いた。
- きっと心配していたのだろう
- この場に長いは、無用とでも言う様に更に歩き出した。
- それに従う様に忍達も遊戯に着いて行った。
- 忍達の一人が遊戯の事を思い出したのか他の忍達に遊戯の事を告げた・・・
- シャイン・キングダム忍頭 遊戯
- 東西きっての幻術使い・・・
- そして幻魔使いにして唯一 羅刹と対等に戦える存在
- 遊戯が本気になれば自分達に勝ち目は、無い事を初めて知った。
- しかし遊戯に対して敵対心なんて彼等には、無い
- ただ主を救った存在でしかないのだ
- そしてそんな彼等でも遊戯が羅刹の想い人だとは、知らないで居た。
- それを知っている者達は、ほんの僅かなのだ・・・
- 「この先には、何が在るんだ?」
- 彼等の思い何て知らない遊戯が尋ねると
- 「その先は、大広間です。それを通り抜け反対側の扉を開ければ真っ直ぐに廊下が伸びて居ます
- そこを突き当たりにある階段を上がれば皇帝 剛三郎の部屋に行き着きます」
- 「ありがとう お前達のおかげでオレは迷わずに剛三郎の元に行ける」
- 彼等に見せる笑顔・・・
- その素顔は、半分仮面の下に隠されているがきっと美しいのだろう
- そこに居た忍達は、そう思った。