- 大広間に近付くにつれ感じる羅刹の力・・・
- 何故ここに居ない筈の羅刹の力を感じるのか
- 不思議で仕方がなかった。
- しかしその不思議な思いに答えるかの様に
- 「大広間には羅刹様結界によって封じられている
- モンスター達が居るのです」
- 結界に封じられたモンスター・・・
- 如何程の力を持っているのか・・・
- 不謹慎だが興味をそそられる
- だがその想いも無惨な形で終えてしまう
- 羅刹が張った結界は,外からの侵入も中からの
- 外出も出来ないモノしかも強度も並じゃない結界に
- 使われている構文を解くのには時間がかかりそうだ
- しかも封じられているのは『人喰い虫』の大群10や
- 20じゃきかない
- 大広間に所狭しといるのだ
- 単体で使うなら平気だし攻撃力の強いモンスターでさえ
- 倒す事が出来るので心強いモンスターなのだがこんなに
- 多いと流石に・・・
- 簡単な言葉で済ませていいのなら(気持ちが悪い)としか言いようが無い
迂回して剛三郎の部屋に行こうかと思ったものの
- 外に出てもモンスターの山だろう
- それとも部屋に繋がる洞窟でも探すか・・・
- しかしそうなると時間がかかるしその道をこの忍達が知っているのかどうか
- が疑問だ・・・
- こうなるとやっぱり構文を解くしか無い
- 内に閉じ込められている『人喰い虫』もこちらに気が付いているみたいだ
- だんだんとこちらに寄ってくるが結界に阻まれて攻撃してこれない
- 遊戯は、右手を結界に左手を自身の真横に持って来る
- この行動に忍達は、不思議に思った
- 何故なら結界を張るのも解除するのも両手で行うからだなのに遊戯は片手
- で行おうとしている
- 遊戯が構文を解いている間にミニにされたブルー・アイズは、遊戯の頭の上に
- 乗り口を大きく開き攻撃態勢をとる
- モンスターと言えど己の主の頭上に乗るなんて無礼な行為なのだが現状を考え
- れば許される行為・・・
- どれぐらいそうしていたのだろうか急に遊戯の様子が変わった。
- 「ブラック・マジシャン!! バスター・ブレイダー!!」
- その叫び声と同時に襲い来る人喰い虫
- だが遊戯達に襲い着く前に放たれた熱源・・・更に
- 「拡散する波動!!」
- 遊戯の言葉と同時に放たれる無数のエネルギー
- 自分達に襲いかかって来た人喰い虫達は、瞬時にその数を半分以上減らした。
- 遊戯の圧倒的な力の前に忍達は、驚きと共に恐れ戦いた。
- もし彼女が本気で羅刹と戦えばその実力は互角かそれ以上・・・
- しかもその場には、召喚された筈のブラック・マジシャンやバスター・ブレイダーの
- 姿は、無い代わりに超魔導剣士ブラック・パラディンの姿が・・・
- 遊戯は、2体のモンスターを召喚した際さらにそのモンスター達を融合させていたのだ
- あまりの早業に呆然としていると
- 「ぎゃ〜!!!!!!」
- 背後からの悲鳴・・・
- 振り返るとそこには、『速攻の吸血蛆』の群れが!!
- 油断していたとは、言え余りの数に驚きを隠せ無い
- 目の前には、人喰い虫 背後には、吸血蛆
- ましてや吸血蛆に捕まってしまった忍を助けなくてはいけない
- しかしここで吸血蛆を相手にすると人喰い虫に襲われる
- 新たにモンスターの召喚を考えたが今ここで力を使い過ぎると後々 剛三郎を相手した時
- 自分に戦えるだけの余力があるとは、思えない
- 決断を迫られたその時・・・
- 目の前で上下に躯を別れさせて倒れる吸血蛆達
- 何事かと思ったら
- 「遊戯様の援護に参りました。」
- 血の付いた刀を背に隠し数人の忍が姿を現した。
- 「お前達は?」
- 「我等は、羅刹様に仕える忍衆第1班第2班の者達で御座います」
- 「詳しい御話しは、ここを突破した後で」
- 確かにこの場で詳しい話し何て出来無い先ずは、人喰い虫と吸血蛆の排除が先決なのだ
- 思い掛けない助っ人の参上で予想以上に早くこの場に居たモンスター達が一掃された。
- そして駆け付けた忍達は、
- 自分の国の者達がどんどんシャイン・キングダムの城内に運び込まれ手当てを受けている事
- を別の仲間から知った事
- カイバ帝国内の森で羅刹が意識を失い殺害チャンスがあるのに怪我人として手厚く看護を
- 受けている姿を見・・・更にそこに居た仲間から遊戯に助け出された事を知った事
- 又、遊戯の仲間が更にカイバ帝国の者達を救うべく奔走している事を知り一緒に戻って来た
- 4班に奔走しているであろう遊戯の仲間の手助けに向かわせた事を告げた。
- 「貴殿等も意識を失っている羅刹様をモンスターから護るべく気を張り
- さぞや疲れたであろう ここは、我等と交代し安全な場所に逃げられよ」
- 「貴殿等の護衛は、我等1班が行うゆえ安心されよ」
- 同じ仲間同士・・・安心出来る相手かと言えばそうとも言えないこの状況下
- 足手纏いになるだけの相手なら護衛のふりをして遊戯の居ない場所で始末されるかもしれない
- 遊戯と一緒に居た忍達は、そう不安に駆られていると
- 「心配するなお前達は、安心して逃げろ」
- 不思議そうな顔をすると
- 「マスター遅くなって申し訳ありません」
- 上空からやってきたモンスター
- ハーピィ・レディの姿が
- 「ハーピィよ 今度は彼等の護衛に着いてくれ第1班お前達も護衛に着いてくれ」
- そう言い残すと大広間に足を踏み入れた。
- 「第2班さっさと着いて来い」