A happy wish-Vol.8- |
「・・・!!」 声色が上機嫌を表す きっと話しが順調良く進んでいるのだろう パタン・・・ 「テメェの買い手が決まったぜ」 足速に来るキース だがユウギにとってどうでもイイ話し 今は、どうやって逃げ出すかが問題なのだ いろいろ悩んだ だが深く悩み過ぎてチャンスを逃がす可能性がある そう言えば相棒によく言われたな 「もっと肩の力を抜いた方がいいよ」って 今は逃げ出す事を考えよう 「・・・テメェの買い手はシュレイダー社の社長さんだ」 えっ・・・ シュレイダー社の社長・・・ ジークが何故? 予想外の名前 オレを買ってどうするつもりだ? 「・・・テメェをイイ値で買ってくれるそうだぜ・・・」 今尚 続くキースの説明をユウギは既に聞いていなかった。 ジークがユウギに好意を抱いているとは露知らず・・・ ユウギの頭の中は混乱し出していた。 カチャ・・・ 受話器を降ろしながら 「フー」 軽い溜息 海馬 貴方は何をしているのです? ユウギを危険な目に晒すなど・・・ 貴方の元にユウギを置いて置く事がユウギの為と思ったが それは大きな過ちだったのか? 「クククッ・・・」 運命の神の悪戯か・・・ 私は、どんな手を使ってもユウギを手に入れると誓った。 だがこんな形でユウギを手に入れるつもりは無い 部下からの報告だと海馬は、遊戯とユウギの義兄を連れて いると聞いた。 きっとユウギを探しているのだろう 私が時間稼ぎをしてあげましょう その間にユウギを探し出しなさい そして貴方の元にユウギが戻った時こそ私は、ユウギを手 に入れる為に貴方に挑みましょう ユウギを誘拐した犯人はきっと海馬から酷い目に遭うでしょ うが 私からもそれ相応の事をさせて貰いましょう ジークは、不適な笑みを浮かべながら<キース>と名乗っ たユウギ誘拐犯に対する処罰に考えを巡らせていた。 ユウギ・・・ ユウギ・・・ ユウギ! ユウギ!! 何度も心の中で叫んだ 言葉に出してユウギの名を呼びたかっただがもし言葉に出し て呼んだら・・・ きっと犯人は、ユウギに危害を加えるだろう それだけは、何としても避けたい 非ィ現実的だが心の中で叫ぶしかなかった もしユウギに届いたら・・・いや届くはず! ユウギは、俺が認めた唯一の存在 俺と共に未来を歩む唯一の存在なのだから そしてその心の声は、ユウギに確かに届いていた。 海馬? 海馬に名前を呼ばれた・・・ まさか・・・まさか・・・ 海馬・・・ 海馬・・・ 海馬! 海馬!! 俺はココに居る!! 海馬に届くのかどうか・・・ いや自分の心に届いたのだからきっと海馬にも届くはず だって彼は、自分が唯一愛した相手だから 共に生きたいと願った相手だから 立ち止まった海馬 何も言わず遊戯とマリクは、海馬がどう動くか見守っていた。 ユウギの声が聞こえた!! ユウギが俺の心に応じたと言う事か!?! ユウギの心が今自分の傍に居ると感じられる 心が求めるままに進めば必ずユウギに出会える 「ユウギは、こっちだ・・・」 ここに来て唯一 海馬が発した言葉・・・ 遊戯とマリクは、驚いた表情を見せながら後を追った。 既にユウギが何故エジプトに帰ろうとしたのかを忘れて 今は唯助けたい一心で・・・ |
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