Time Soul-2-

 

遊戯がこの世界に戻って来て半年が過ぎようとしていた。
海馬は、遊戯に逢う為に金曜日の晩から日曜日の晩
迄予定を一切入れなかった。
 
本当は、四六時中一緒に居たいのだが
そうなるとモクバに遊戯が復活した事がバレテしまい
そこからアノ連中にまで行き着くのかと思うと不愉快でしかない
アノ連中にさえバレナイのならモクバだけにでも教えていいのだが・・・
如何せんモクバは、アノ連中と仲がいい
それ故に教えられないのだ
 
しかし辺境の地に住む遊戯が慣れない生活の所為でか熱を出したのだ。
その報告を磯野から受けると海馬は、居ても立っても居られなかった。
海馬の脳裏には、遊戯を失うのではないか・・・と言う恐怖
山里では、直ぐに遊戯の元に行けないので仕方が無いが
遊戯を童実野町に呼び寄せた。
しかも海馬が直接迎えに行ったのだ。
 
海馬Co.から車で5分位の所に出たマンションを買い
そこに遊戯を住まわせた。
「遊戯 熱は下がったのか?」
氷嚢で頭を冷やしベッドの上で横たわる遊戯の傍に寄ると
「あっ海馬・・・お帰り
熱ならだいぶ下がったぜ」
起き上がろうとする遊戯に
「無茶をするな寝ていろ」
優しく声を掛けてくる
 
遊戯にとってそんな海馬の親切は、嬉しい
その上昼休憩の時も来てくれる
 
しかしその反面 この童実野町には海馬が帰る場所がある
2人で居る時間は、限られているのだ
だが今日は、帰る様子が無い
不思議そうに海馬を見つめる遊戯に
「何だ?」
「あっ否なんでもない・・・」
歯切れの悪い遊戯の答えに
「気になるだろ 教えろ遊戯」
海馬に押さえ込まれる形で乗ってこられたので驚くしかなかった。
朱に染まる顔・・・
急に恥ずかしくなり横向くと頬に当たる暖かい感触・・・
「かっ海馬!!」
「答えろ遊戯」
気になる事は、全て解決しておきたい性格故にどうしても遊戯に迫ってしまう
「・・・今日・・・泊まっていってくれるのか?」
「なに!?」
「今日は、平日だろ?その・・・帰らなくていいのか・・・」
海馬が泊まっていくのは、やはり金曜日の晩から日曜日の晩にかけてだけ・・・
平日は、どんなに遅くなっても帰ってしまうのだ。
「暫くは、ここに泊まる
体調の悪い貴様だけでは、心細かろうからな」
確かにそれも在るが海馬の心には、遊戯がまた自分の前から
消えるのだは無いだろうかと言う恐怖が今尚付きまとうのだ
それを拭い去る為に自分を安心させる為に泊まり込む事にしたのだ
暫く・・・とは言ったもののこのままココで遊戯と住むのもイイだろう
と考えている事は、内緒だ
何時の日にか遊戯を自分の妻として海馬家に迎え入れる
アノ連中にバレルのは致し方が無いとして
その時は、何も言わせないだけ
しかも遊戯には、連中の記憶など無いのだから
遊戯自身逢いたがる筈も無い
遊戯が自分の妻となればこの胸に広がる恐怖は、消え失せるだろう
 




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