---Whirlpool---

             ∞Vol.2∞
綺麗に整理整頓された部屋
まるで誰も住んで居無いモデルハウスみたいに・・・
洗面台には、歯ブラシとコップが1個ずつ
誰かと一緒に住んでる気配は、全く感じられない
何故だか安心してしまう
でもその反面自分のが無いという寂しさ・・・
まぁここに来たのは初めてなのだから無くて当然なんだけど
 
フォトフレームが1個も無い
アカデミアに亮が居た時 兄に撮ってもらったツーショット写真
それさえ飾られて無い
自分の存在を忘れられた気分だ
でもそれを言うなら自分だって亮の事を過去の人と位置づけ
ているでは、ないか・・・
きっと亮だって自分の事を過去の人として位置づけているのだ
ろう
 
キッチンに行き冷蔵庫の中を確認すると少量の野菜と肉・・・
あまり買い置きとかは、していない様だ。
明日香は、何を思ったのか野菜と肉を冷蔵庫から取り出し
まな板の上に乗せる
 
 
 
・・・数時間後・・・
 
マンションの傍を通りかかった時 部屋に灯っている電気・・・
部屋を出る時 電気を消した筈
それに誰か来るなんて聞いて無い
まさか彼女か?
合鍵を渡した相手は明日香しか居無い
彼女には何時遊びに来てもいい様に渡したのだ
 
彼女に逢いたくて心が逸る
 
急いで逢いたいと思うものの今の自分に逢えば彼女はショック
を受けるだろう
だがそれでも彼女に逢いたいのだ
何を話すかなんて考えて無い
会話なんて逢えば何とかなるだろう
部屋に入るとそこに居たのは逢いたくて逢いたくて
そして逢いたくない人
本当は抱き締めて彼女の温かさを感じたかった
でも口をついて出たのは
「何の用だ?」
冷たい言葉
そんな言葉を予想していたのか明日香には驚いた様子が無い
「ただ貴方に逢いたかっただけ・・・それではダメかしら?」
表面上平静を装っていたが本当は、彼を見た時 心が身体が
彼に触れたいと求めた
しかしそれは、出来ない今の自分は斎王様に仕える身・・・
彼が斎王様に仕える者なら彼を求めただろう
でも彼は斎王様に仕える身では無い寧ろ斎王様の夢に立ち
はだかる存在になりかねない
心の葛藤・・・
そんな明日香を余所に亮は寝室へ
明日香の姿を見た時に感じた違和感・・・
 
彼女は既に自分の知っている天上院 明日香では無い
 
何故かそう感じた。
どうしてそう感じたのか自分でも解らない
だがそう感じるのだ・・・
着ていたコートをハンガーに掛け壁から出ているフックに掛けると
着ていた衣服も脱ぎ出し動きやすい部屋着
亮が着替えている間 明日香はその光景を寝室の入り口から
見ていた。
亮の逞しい身体・・・
アカデミアに居た頃 何度あの胸に抱き締められた事か
何度安心させられた事か
走馬灯の様に思い出される
 
またあの腕にあの胸に抱き締めて欲しい
亮の総てを感じたい
そして私を感じて欲しい
 
明日香の前を通り過ぎ様とする亮に
「亮 何処に行くの?」
「シャワーを浴びるだけだが?」
「夕食・・・」
「後で頂く」
それだけを言い残し亮は、シャワールームに姿を消した。
 
暫くして聞こえてくる水の音
カチャ・・・
「!」
開けられる扉 そこに立っていたのは、申し訳無い程度にタオル
で胸元と下肢を隠した明日香の姿
「そんな格好でどうした?」
「私も一緒に入ろうって思っただけよ」
「ほ〜久しぶりに逢ったから相手をして貰いたっかのかと思ったんだが?」
本心を言い当てられ戸惑う明日香
亮はバスタブの方に移動しシャワーを明日香に明け渡す
それを横目で見ながら明日香がシャワーを浴び出す
濡れたタオルが彼女の身体に張り付き
何とも言いがたい淫靡さを醸し出す
 
久しぶりに見た彼女の裸体
タオルを巻いているとは言えそのタオルは彼女の身体に張り付き少し
透けているのだ
自分は、何度あの身体に欲望を突き立て精を吐き出した事だろう
快楽に溺れた彼女の顔に更に募る欲
 
それを思い出すだけで勃起してしまいそうだ
キュッ
蛇口を閉めバスタブに近づくと亮が入っているのにも関わらず
その身を湯の中に浸そうとする
見た目で解るはずなのだが2人で入るにはキツイサイズ
それなのに無理矢理亮の足を跨ぎながら身体を沈める
湯は乳白色だったので亮のモノが見えない
「!!!!」
急に赤面しだす明日香
そんな明日香を楽しそうに見つめる亮
「やぁっ・・・なっ何するの!!」
「ココに俺が欲しいんだろ?」
陰部に這わせられる指・・・
 
確かに亮のが欲しい
 
「ちっ違う・・・はぁぁうぅぅぅぅぅんん!!」
明日香は慌てて口を塞ぐと亮は陰部に指を挿し込み中を掻き回す
これが湯の中でなかったらきっと恥ずかしい程 蜜を零して居るだろう
「りょう・・・やめて・・・」
亮〜やめないでこのまま貴方ので挿し貫いて!!
 
抵抗する言葉
求める心
 
拒否の言葉を聞いて明日香の陰部を嬲っていた指は抜かれ物足りなさを
感じてしまう
何故やめてしまうのか・・・聞いてしまいそうになる
でも怖くて聞けない
「明日香 もう出たいんだが?」
明日香が亮の足の上に座っているので出る事が出来ないと言われる
力無く立ち上がると亮のモノに目が行ってしまう
微かに立ち上がりかけているソレ
きっと我慢しているのだろう
 
こまま膝ま付きソレに触れ
口に含み刺激を与え精を吐き出させ
自分の中に誘い込みたい
はしたないと言われようが淫乱だと罵られ様が構わない
自分の中に溜まって居るモノを総て吐き出したいのだ
 
だがそれさえ躊躇し実行に移せないで居る
ここに何しに来たのだろう?
 
自分のアヤフヤな気持ちに答えを出す為だったんじゃないの?
湯の中に身を浸し自分の身体を抱き締めた。




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