約束−6− |
-通学途中- 「遊戯君まだ意識が戻らないの?」 アメリカ滞在中にI2のペガサスから遊戯が倒れた事を聞かされ居ても立っても居 彼は帰国後 遊戯の見舞に行くつもりだったのだが帰国後の手続きに手惑い遊 「うん・・・意識を無くしてからだいぶ経つけどまだ意識が戻らないんだ 先生も手の施し様が無いって言ってたよ」 外傷なら治せたかもしれない しかし心は、本人以外どうしようもない・・・ 「でも皮肉よね・・・ 遊戯が倒れた事で遊戯は海馬君と一緒に居る時間が出来たんだもの・・・」 「海馬ってまだ遊戯の病室に居るのか?」 杏子が言う通り遊戯が倒れた事で遊戯が望んでいた海馬との時間が出来た。 例え本人同士目を見ながら言葉を交わす事が無くても そして海馬は遊戯の見舞後そのまま遊戯の病室に泊り込んで余ほどの事が無 幼いながらもモクバが海馬の代わりに社に出向き過酷な業務をこなしているのだ ただ海馬の決済印が必要な場合は、磯野か河豚田が病院まで書類を持って 「遊戯 貴様の心は今何処を彷徨っているのだ?」 俺に貴様の紅い瞳を見せてくれ 貴様の声を聞かせてくれ 金糸の様な前髪をすかし 柔らかい頬を撫でる 青い瞳に悲しみの色を乗せて そして大切な何かを思い出さないとイケナイと心の警笛を聞きながら・・・ それは、自分にとって大事な事 それが、遊戯に関係する事だと気付いているのに 手が届きそうで届かない 掴めそうで掴めない 俺は何を思い出したい? 過去に囚われない俺が・・・? 大切な何か・・・ 俺と遊戯に関する何か 「遊戯 貴様なら何か知っているのか?」 知らないのか? 目覚める事無く眠り続ける遊戯の柔らかい頬に触れながら 海馬は、動く事の無い唇に自分の唇を押し当てた 眠れる森の美女の様にキスで目覚める事を祈りながら・・・ |