ウソと言って!
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=車中=
「何をそんなに不機嫌でいるのだ?
折角 貴様に逢う為に仕事を早く終わらせて帰って来たと言うのに」
海馬が自分の為に仕事を早く終わらせてくれるのは有りがたいと思う
これが普段の日ならな・・・
でも今日みたいな日は、その行為はただただ迷惑でしかない
自分の身体が女になっている今は・・・
更にギュ〜と掛け布団にしがみつく遊戯
しかも横抱きのまま海馬の膝上に居るのだ
(遊戯のヤツ見ないうちに又痩せたか?やけに軽いが・・・?
それといやに身体が丸みをおびてる様な・・・まるで女の様な・・・
まぁ遊戯が女になろうと俺には関係ないからな)
遊戯の心中を知らない海馬は遊戯の行動を見て≪可愛い≫と感じて
いるのか顔が緩みっぱなし
遊戯の身体を撫でまわしっぱなし・・・
身体を撫でまわす行動さえ無ければ海馬が今心の中で思った内容を
遊戯が知ればどんな気持ちになっただろうか
そんな事を知らない遊戯は、ただただ焦るだけ
(身体を撫でまわすなぁ〜このセクハラ野郎!!)
もしこの場に普段の海馬を知る者が今の海馬を見たら我が目を疑うと
思う程穏やかと言うか優しい表情を浮かべていた
「そんなモノに何時までも抱きつくな
抱きつくなら俺に抱きつけ」
「嫌だ」
「いい加減機嫌を治せ」
「オレが機嫌悪いのは眠いって言ってるのに無理矢理連れ出すからだぜ・・・」
「だから俺の寝室で寝ればイイと言ってるだろう?」
優しく遊戯の髪をすきながら優しく慈しむ様な眼差しで見つめられ
遊戯の顔に赤みがさしてくる
「お前の寝室だとゆっくり眠れないぜ・・・」
(何て顔でオレを見るんだ〜!!海馬がおかしくなったぜ・・・って
いや元からおかしいがそれに拍車をかけておかしいぜ!!倍増してるぜ・・・)
フイッとそっぽを向く遊戯
「どうしてだ?」
(く・・・っ そんな赤みがかった表情で俺を見上げてくるなんて『襲ってくれ』
と言ってる様なもんだぞ!!!)
「オレを・・・その・・・泣かせて疲れさせる様な・・・事をだな・・・」
少し盗み見るような感じで海馬の表情を見ると
(うわ〜海馬の顔リトマス紙みたいに赤くなったり青くなったりして何だか怖いぜ!!
それにさっきから腰の所に海馬の大きく硬くなったモノが当たるんだけど〜
しかも少しずつ体積が増えてる気がするんだけど・・・気の所為か?
このままじゃオレは海馬に襲われてしまうのか!!)
こんな姿のままじゃ嫌だ!!
内心焦りまくっている遊戯
そんな遊戯をどう誤解したのか
「だがその後は、ゆっくり寝れるだろう?」
(くそ〜そんな潤んだ瞳で俺を盗み見るなぞ!!貴様俺を誘っているのか?
そんなに襲って欲しいのか!)
思わず遊戯を抱き抱える腕に力が入る
(このまま遊戯を思いっきり抱きしめたい!!)
ギュ〜ギュ〜と抱きしめたい
遊戯の華奢な身体を
その温もりを感じたい
と思うものの
(いや・・・思いっきり抱きしめたら遊戯の温もりは感じれても
この可愛い顔が見れないでは、無いか!!
遊戯の子猫の様な仕草や表情が見れんのでは、どうし様も無い!!
こんな可愛い仕草の遊戯なんてそうそうに見れんのだ
ここは耐えて俺の膝の上に居る遊戯を堪能しようではないか)
そうか俺は遊戯の頭を撫で撫でしたいのだ
子猫の様な遊戯を撫でて癒されたいのだ!!
完全に気持ちがずれている2人
「なっ何もされずに1人で寝たいんだ!!」
(うわわわわわぁぁぁ〜!!頼む早く男の姿に戻ってくれオレの身体!!)
(ここは耐えるんだ俺!!)
何もしていないのに息が次第に上がる2人・・・
そんな状態の2人を乗せたままリムジンは海馬邸に向うのだった