Fondness -3-
呼吸と整えゆっくりと目を開ける
舞でその場に居る者全てを魅了し
唄でその場に居る者全ての心を蕩けさせる
だがこのやり方だと舞の後小休憩を入れないと
唄を歌う時息が続かない
それ故に明日香は唄を歌う事から始めた。
魔族と言えど心に響く澄んだ唄声に耳を傾け
ウットリとしている
皇帝も目を閉じ唄を聞き入っている様だ
だが明日香にしてみれば気が気でない
もしここで間違えたら・・・と思うと・・・
でもそんな不安を感じている事を唄声に乗せる事
が出来ない
何とか気持ちを抑え唄いきる
唄いきると安堵感に心が支配される
皇帝とその場に居た者達に一礼をすると
「少し休むか?」
皇帝からの言葉
きっと明日香を気遣っての発言だったのだろう
しかし休憩している間に国では・・・そう思うと休憩なんて
出来ない
「このまま私の舞を御覧になって下さい」
「よかろう では、そのまま我に舞を見せてみよ」
「御意」
パチィン・・・
皇帝が指を鳴らすと曲が流れだす
しかもその曲は明日香が舞の練習の時好んで楽師に奏でて
もらう曲・・・
明日香の心が軽く弾む
曲に合わせて舞う明日香
その舞は見事なまでにその場に居た者達を魅了した
舞っている最中に感じる視線・・・
自分の舞いに魅入る多くの視線
その視線の中に一際感じる強い視線
その視線は、明日香の躰の芯に火を灯す
躰が熱い・・・
まるで何かに燃やされているかの様に錯覚してしまいそう
衣装を身に纏っているのに一糸纏わぬ自分を見られている
気になって恥かしい・・・
視線だけで躰の隅々まで弄られている様な気がして来る・・・
感じずには居られない
躰の至る所を直接触れて欲しい気持ちになってくる
視線では無く手で・・・
鼓動が早くなり息が上がる
性行為なんて経験した事が無い筈なのに
視線だけで蕩けさせられる
躰が高揚し吐息が漏れる
曲が終わり明日香は一礼するとその場に居た者達からの拍手喝采
「見事な舞いだったな」
皇帝からの御誉めの言葉
これで国は救われる・・・明日香の心には国への思いが
「明日香 俺の後に着いて来い」
皇帝は王座から立ち上がり明日香の前へ
「はい」
皇帝に言われるがまま着いて行くと王宮内奥にある扉の前に
扉は観音開きにはなっているが大きさはそれほど大きく無い
室内は人界で言うところのリビングに近い造りかもしれない
兄の部屋の様に大きな机は無い
床の上に直接座り寛げる様にはなっているが・・・
その部屋を通り抜け奥の扉に
その扉の向こうには大きなベッドが・・・
ここまで来て明日香は、何故自分がココに連れて来られたのか理解する
「私は、そんな気でココに着いて来たんじゃない!」
皇帝は、自分に<夜伽の相手をしろ>と言っているのだ
幾ら経験が無いとは言え知識程度になら知っている
「ほう 経験が無いとは言え何をされるのか解っている様だな
まぁお前の心次第だがな」
鳴らされる指
それと同時に空間が歪み明日香に見せたモノ
今尚国に起こる災害
先程の唄や舞では満足してい無い証
「そっそんな・・・」
「お前の心一つだ」
そう言うと皇帝は、ゆったりと長身をベッドに横たえる
明日香の絶望の表情を見つめながら
心奥深くに痛みを感じながら・・・
暫くして意を決して明日香が皇帝に近付き自分もベッドに乗り上がる
「私は、こんな経験なんて無いから何をどうすればいいのか解らない」
「先ずは俺のモノをその小さな口で奉仕してもらおうか」
ベルトを外しファスナーを下げモノを取り出す
恥かしくて直視出来ない
だがやるしかないのだ
出来るだけ見ない様に下を向きながら皇帝の足の間を進む
それでも恥かしくて直視出来ないし触れる事も出来ない
そんな明日香を見て楽しいと感じてしまう
まさか俺が楽しいと感じてしまうとはな・・・
それに・・・
先程感じた心の痛み・・・
魔界の皇帝になった時既に捨て忘れ去ったとばかり思っていたのに
まだ在ったとは・・・
目の前にして見るのも触れるのも恥かしい
どうすればいいのか・・・
顔を朱に染め戸惑う明日香
恐る恐る触れようとするものの触れる事に抵抗がある
「男のモノなど 父親や兄ので見なれているだろ?」
確かに幼い頃 父親と兄と自分の3人で入浴はした事はある
だがそれは幼い頃の話し
年頃を迎えれば一緒に入浴なんてしない
「どうすればいいの?」
もう敬語とかで話すのは無し
ここからは何時もの自分の話し方で話す
この神を敬う理由なんて無い
「まずは触れなくては話しにならん」
恥かしさに手が震える
それでも何とか触れてみる
温かい・・・
生温かいソレにどう反応していいのか解らない
「そのまま上下に擦ってみろ」
言われるまま上下に擦ってみる
「お前の小さな口を近づけ嘗めろ」