Fondness -5-
ここに来てどれだけの時間が過ぎたのだろうか?
昼夜問わず皇帝を受け入れ快楽に溺れている
そもそもこの世界に時間的概念なんて存在する
のだろうか?それが疑問である
きっと人間界では兄が自分の帰国を待っている
かもしれない
国は、どうなっているのだろうか?
気だるい躰を起こし明日香はベランダに歩み寄る
今自分に与えられている自由は、この部屋の中
のみ・・・
この部屋を出ようにも結界が張られていて出るに
出られない
たかだか人間の自分に何故そんなモノが必要なの
かが解らない
「明日香 何を考えている」
背後から抱き締める存在
この部屋に自由に出入り出来るのは自分の身の回り
を世話してくれる翔と最近侍女として紹介されたレイ
そしてこの部屋の主である皇帝のみ
しかも自分に抱きつく事が出来るのは皇帝のみ
「何も・・・しいて言えば祖国の事」
「俺から離れられると思っているのか?」
「それは、貴方次第でしょ?」
明日香を手放しはしない
俺に溺れさせるつもりだった
俺から離れられない様にするつもりだった
それなのに自分が溺れてしまい
自分が離れられなくなっていた
このまま自分の傍に気が遠くなる様な時間の中一緒に
居て欲しいと想う様になった
だがそんな想いを口に出す程自分は素直では無く
彼女が嫌がるのを承知で彼女を犯す
明日香と言う女の事を知れば知る程ハマリ抜け出せない
「はぁぁぅぅううう・・・んんん・・・」
背後から自分を抱き締める腕に愛撫をされて思わず声が
上がる
感じたくは無いと心の中では思いながらも馴らされた躰は
愛撫に正直に反応してしまう
彼のモノで挿し貫かれる快感
最初は、嫌だったのに今では、求めてしまう
自分の中を掻き回す指だけでは物足りない
「あああ・・・も・・・もう・・・亮のを・・・」
2人だけの時には名を呼ぶ様に言われそうしつけられた
その所為か明日香は行為に及ぶ時のみ皇帝を名前で呼んでいる
明日香に名を呼ばれ背筋がゾクゾクする
これ程までに嬉しいと感じてしまうとは
そして自分を求める憂いを帯びた声
亮は、明日香の中から指を抜くと勃起したモノを陰部に宛てがい
そのまま最奥めがけて一気に挿し貫く
「ふィァァァ〜〜〜」
ベランダの手すりに両手を添え亮の方に腰をつき出し揺さぶられる
「あああぁぁぁ〜んんん・・・・」
ギュ〜と内肉が絡みつき締め上げ吐精を促す
何度抱いても抱き足り無い
貪欲に求めてしまう
そして彼女からも貪欲に自分を求めて欲しいと思う
「・・・っく・・・」
締め付けに耐えられなくなり吐精をする
全てと吐き出す為に何度も擦りあげる
ズルッ・・・と明日香の中から抜け出る
力無く床に倒れる明日香
神と人との精神力の違い故に性行為に及んでも長くは及べない
今さっきまで自分を受け入れていた場所からは白濁とした粘り気の
有る液体が流れ出る
亮は明日香を抱き抱え寝室のベッドに横たえる
明日香に自分と同じ神格を与えるべきなのか思い更けながら
ボンヤリと外を眺めていると
「そんなに外を見てどうしたんです?」
自分の身の回りの世話をするべく部屋に来ていた翔
「私は何時になったら人間界に戻れるのかしら・・・」
明日香の前に置かれたお茶
そのお茶に手を伸ばしススル
「君は、皇帝の愛玩なんだよ
人間界に戻れるワケないでしょ?」
愛玩???
聞き慣れない言葉
心がズキッと痛い
愛玩って・・・私は、弄ばれているの?
亮にとって私は・・・
<愛玩>と言われただけなのに何故自分の心が傷つくのか
自分は亮の事をどう想っているのか
明日香の心に芽生えつつある感情
人間界に戻れない事より
辛い・・・
亮の本心を知りたい・・・
でも亮の本心を知ったからって何がどう変るのだろうか?