もう一度
社長室恒例の勉強会
勉強会って言っても海馬と遊戯の2人しか居ないのだが・・・
遊戯が来ると海馬の機嫌が良いので秘書達にしてみればこのまま遊戯に
毎日来てもらいたい
そして当の海馬は自分のデスクでパソコンと睨めっこ中
会社に戻って来た彼の前には大量の書類
それを物凄いスピードで処理をしている
ちゃんと読んでいるのか?と思う程の早さ
でもしっかり読んでいるのか悉く『決済』『未決済』の箱に振り分けられ
『決済』の箱に入れられた書類にはしっかり決済印が押されている
『未決済』の箱に入れられた書類は翌日秘書から各部署に返却される
そんな海馬を遊戯は勉強している振りをして盗み見している
瀬人兄貴って男のオレが言うのも変だけどカッコ良いよな・・・
顔良し頭良し
細身で長身
手足も長い
卒業後の就職先の心配も無い
若いのに大企業の社長なんだ
ましてやM&Wでも有名な上に{伝説のデュエリスト海馬瀬人}と同姓同名であり
その子孫ときてる
オレもM&Wするけど雲泥の差だよな{伝説のデュエルキング武藤遊戯}に申しワケ
無いぜ
まぁ瀬人兄貴の歪んだ性格は別として女の子なら誰しも付き合いたいと思うタイプなんだろうな
もしかして瀬人兄貴に恋人とか居たりして・・・
つ〜か居てもおかしくないよな
でも今迄そんな話し聞いた事無い・・・と言うか親戚だからって言う必要無いか
やっぱり彼女とか居るんだろうな
彼女と何処までいってるんだろう・・・
ってオレは何を考えているんだぁ〜!!
そこまで考えていて思わず良からぬ妄想に・・・
遊戯は頭を抱えて左右に振る
顔をリトマス紙の様に変化させる遊戯をデスク越しに眺めている海馬
その表情には優しい笑みが浮かんでいる
「遊戯 何を考えていた」
自分の横から聞こえてくる声に我に戻る遊戯
「ぎゃっ!!!!あっ兄貴・・・なっ・・・何でも無いぜ」
「何にも無いのに貴様はリトマス紙の様に顔色を変えるのか?」
う”・・・そんなに顔の色変ってたのか???
「ほんと〜うに何でも無い!! ただこの問題が難しいんだぜ」
必死になって誤魔化そうとする遊戯だったがしっかりと目が泳いでいる
あくまで言う気でないな・・・
そんなに白を切るのなら
言わせるまで
「どの問題だ?解らないと言うのなら教えてやるが」
少しずつ遊戯に近付く
「こっこれ・・・」
指を指し示す遊戯だが近付いてくる海馬に意識してしまう
海馬が遊戯の肩に腕を回そうとした時
「言うから!!少し離れてくれ・・・」
我慢の限界に来たのか顔が茹で蛸の様に真っ赤
しかも蒸気まで見えそうだ
チッ・・・後もう少しだったのに・・・
内心舌打ちする海馬
「何を考えていた?」
「あっ兄貴ってカッコ良いから・・・その・・・女の子とかがほっとかないだろうし
彼女とか居るのかなぁ〜って・・・そっそんな事考えていた・・・」
まぁ〜その先の事まで妄想したとは言える筈も無いので言わないが
まくしたてる様に言いきった遊戯
何故か息が荒い
そんな遊戯に海馬はキョトンとした表情をしていたが
「ククク・・・俺に女と付き合っている時間が取れると思うのか?
まぁ告白は過去に何度もされたし今尚いろんな手段で告白されるが・・・」
そんな相手なんて興味無い
俺は貴様さえ居ればいいのだから
「もし俺に恋人が居たらどうする?」
「えっ・・・やっぱり恋人居るのか?もしかして2年のキサラ先輩?それとも
3年の舞先輩?」
何故そう簡単に女の名前が出てくるのだ?
「もし・・・だと言っているだろ?それに何故その2人の名前が出てくるのに貴様の
名前が出てこん?」
「キサラ先輩って綺麗で大人しいし良く気が付くし優しい
舞先輩も綺麗だけど快活で姉御肌・・・2人とも人気高いしファンのヤツも多い
瀬人兄貴とはお似合いだと思う」
次第に語尾が小さくなる
「だから何故貴様の名前が上がってないと聞いているんだ?」
少し苛立った様な言葉
「な・・・オレ男だぜ?男同士って違和感ありまくり!!って言うか恋人とか居るのか」
そりゃ〜少しは考えたけど非生産だぜ
兄貴程の男なら・・・
「居ると言えば居る 居ないと言えば居ない」
「なぁ・・・何だその中途半端な回答」
「片思いなんだから仕方が無いだろ?」
くそ〜何故俺がこんなl事言わなければならないんだ!
そもそも鈍い貴様が悪い!!
「兄貴程の男に片思いさせるなんて凄い女なんだな」
って貴様何故女限定なんだ???
次第に頭痛がしてくる海馬
何気なく遊戯に好意を抱いていると言外にしているのに解って貰えない
くっ・・・そんな鈍さも惚れた内なのかもしれん
「瀬人兄貴この問題の解き方教えてくれよ」
「ああ・・・これは、だな・・・」
何時か貴様の全てを俺のモノにしてやる!!覚悟していろ遊戯!!
自分の横で勉強にいそしむ遊戯を盗み見する海馬であった
(遊戯の事を盗み見しながら『可愛い』と思っていたりもする)
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