もう一度-3-

もう一度-3-


姉の計らいと言うべきなのか遊戯は海馬邸に泊まりに来ていた

しかも何の連絡もしていないのに遊戯の分の夕食も用意されていたのだ

(ユキが事前に連絡していたのだが)

 

く〜海馬邸の食事ってマジで旨いぜ!!

流石一流シェフが作っているだけの事がある

これじゃ外食なんてしたくないぜ

それなのに瀬人兄貴は、しょっちゅう外食しているんだからな

贅沢ってもんだ

時々ウチで食事しているし・・・

こんな旨い料理ばっかり食べているくせにウチの食事なんか口に合うのかよ???

兄貴の味覚が解らないぜ・・・

 

やはり遊戯と食事を共にすると旨いな

 

給仕をする者達が次々と料理を取っ替え引っ換えに持ってくる

海馬がちゃんと食事取っているとシェフに報告が入り嬉しさの余り腕を振るっていろいろと

作ったらしい

まぁ・・・外食ばかりしてくる主だから仕方が無いのかもしれない

夕食を終え海馬の私室で食後のお茶をよばれ完全にリラックスモードの遊戯

「兄貴 シャワーかりるぜ」

「ああ」

海馬邸に泊まる時 遊戯は海馬の私室のシャワーを利用する

遊戯としては、別室のシャワーを使いたいのだが海馬の猛反対にあい渋々と

海馬の私室のシャワーを利用している

寝る時は何故か同じベッド

「兄貴 いい加減一人で寝たいぜ」

「別に一緒でもかまわんだろう?」

「う・・・」

かまいます!!

遊戯を背後から抱きしめている海馬

首筋に海馬の息が掛かってくすぐったいし背中から海馬の温もりを感じ変な

気になりそうなのだ

「オレ高校生なんだぜ」

「それがどうした?それを言うなら俺も高校生だが?」

「オレ抱き枕じゃないんだけど」

「こんな煩い抱き枕なんて存在しないと思うが?」

「兄貴」

「なんだ?」

「いや・・・何でもない」

「早く寝ろ」

「うん」

きっと何を言っても言い返されるだろう

ここは大人しく寝ようと決める遊戯

 

暫くして聞こえて来る寝息

 

全くここまでして俺の気持ちに気付かんとは何という鈍さ

ユキとは大違いだな

まぁそんな所も惚れた要因なんだが

 

寝息をたてている遊戯の柔らかい唇に軽く自分のを重ねる

もし彼が起きている時にすれば大騒ぎになるかもしれない

もしかしたら自分を軽蔑し遠ざかるかもしれない

そんな事にでもなったら・・・そう思うと寝ている時にしかキスは出来ないのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

コポコポ・・・

「コレ等を使い海馬瀬人を社長の座から降ろしてやる」

中肉中背で頭髪の薄い男が横長いカプセルの傍に立ちながら言うと

その隣から長身で眼鏡を掛けた紳士風の男が

「海馬瀬人を社長の座から降ろしたらコレ等を始末し我等が海馬Co,の実権を

握り世界の経済界や政界を制しようでは、ないか」

意気込んで話しだす

もう1つのカプセルの横に立つ如何にも肥満体系の男が

「しかしこんなモノがあったとは、数代前の会長の考えている事が解らんな」

コンコンとカプセルを叩くと

「しかしながら見れば見るほどアノ餓鬼に似て憎ったらしい顔をしている」

ガッチリとした筋肉質の男が握りこぶしを作り怒りを露わにしている

「似ているからこそ この計画の成功確率が高いのですよ」

細身でひ弱そうに見える男がカプセルで眠るモノを見下す様に言う

「ただコレ等の知能は未知数 コレ等の設計図は既に存在していない」

「まぁそんな物が存在しないのならそれが一番でしょうな」

「ああ・・・早く海馬瀬人を亡き者にしたい」

それぞれに高笑いをしながら自分達が立てた計画の成功を夢見ていた

 

【愚かな・・・我等の目覚めは貴様等にとって破滅でしかないのに】

 






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