疑問-3-
※遊戯の言葉使いは女の子の言葉使いになっています。
遊戯が自分の事を「オレ」とは言わず「私」と言っています
それでもO・Kでしたら下へ行って下さい
結局帰宅したのは翌日の日曜日
これと言って何の約束もしてなかったから別に良いけど
遊戯は、疲れた躰を自分の部屋のベッドに横たえ眠りに着く
月曜日 まだ腰に違和感を感じるけど休む事なんて出来ない
校門付近で舞と杏子に逢う
舞は、高校生モデル・・・いろんなファッション雑誌に出ている
土曜日と日曜日は、雑誌の撮影で一日中いろんな所で撮影があったらしい
杏子は、将来の夢に向ってアルバイト中
杏子の夢はブロードウェイでミュージカル舞台に立つ事
その為にダンスの練習だって怠らない
「遊戯は土日何してたの?」
「一日中寝てた」
「げっ 年寄りくさいよ〜」
間違ってないと思う・・・
土曜日は海馬の屋敷で寝てたし日曜日は疲れて自分の部屋で寝てたから
「う〜ん・・・」
「どうしたの舞?」
「肌質がいいから男と一緒だったのかなぁ〜って思ったのよ」
一瞬ギクッとした
確かに海馬と一緒だった・・・そんなの肌に出るのか???
「遊戯って最近妙に色っぽい時あるのよね もしかして彼氏とかでも出来たの?」
「あ〜それじゃその彼氏と一緒に居たとか?」
「そんなの居ないよ〜」
自分達の関係が何なのか解らない・・・
他愛のない会話 それがどれだけ心を和ましてくれるか
海馬の好みのタイプに近い2人
どうして海馬は、この2人のどちらかと付き合わないのだろう?
(二股なんて許せないもん)
疑問が心を過ぎる
下駄箱で靴を履き替えていると2階の方から「きゃ〜vvv」と言う黄色い声が
何事かと思っていたら丁度踊り場に獏良が居たので聞いてみた
「海馬君が久しぶりに学校に来たんだよ」
なるほど・・・この声は海馬が来た事による歓喜の声なのね
納得してしまう
教室に着いたら海馬の席の周りには、女の子による壁
彼の人気の高さが伺い知れる
何を話しているのか知らないけど何かしらの会話が聞こえて来る
あの女の子達の向こうに居る海馬は、きっと営業スマイルで彼女達に対応しているのだろう
全くそつがない男だ
遊戯は、カバンを机の上に置き席に着くと
「ゆ〜ぎ〜」
「おはよ城之内君 どうしたの朝から情けない顔して」
「大方 課題を済ましてないんでしょ」
「まったく情けない男ね」
杏子と舞の手厳しい一言
「しゃ〜ねだろ バイト三昧だったんだぜ課題してる間があったら金稼がね〜と」
「それじゃ遊戯が暇人みたいな言い方じゃね〜か?」
「おはよ本田君」
「おう」
「そんな事言ってねぇだろ本田」
「傍から聞いてたら そういう風に聞こえるのよ」
「まぁまぁ はいノート今度から自分でやってね」
「サンキュ〜」
いそいで自分のノートを広げ写し出す城之内
それを微笑ましく見る遊戯
そんな遊戯の姿を蒼い瞳が見ていたのを遊戯は気が付かないでいた
2限目が終わりザワザワと生徒達が騒ぎ出す
海馬の周りには女の子の山
海馬は、自分の周りにいる女の子達に一声かけて席を立つと
「武藤さん 少しいいかな?」
舞達と話してた遊戯
急に声をかけられ驚いた様な表情を見せる
「何かしら?」
「ちょっと用事があるんだけど・・・」
「えっ?」
遊戯は少し考えるが
「少しならいいよ」
と言って海馬と一緒に教室を出る
海馬は学校内では遊戯の事を『武藤さん』と呼ぶ
遊戯も海馬の事を『海馬君』と呼んでいる
それは自分達の事がバレナイ様にするため
人気の無い場所まで連れて来られる
嫌な感じがする・・・
「海馬君・・・何か用事があったんじゃ・・・」
海馬は、ゆっくりと振り返ると手に持っていた小型のスプレーを遊戯に降り掛ける
「いやぁ・・・・」
急に意識が遠のき出す
「・・・な・・・に・・・」
そのまま床に崩れて行く遊戯
それを海馬は冷ややかに
「馬鹿な女だ 少しは警戒ぐらいしたらどうなんだ?
オイ コイツを連れて行け」
隠れていた海馬専属のSP
遊戯を抱え上げると門前に止めてあった車の後部座席に遊戯を乗せる
その横に海馬が座る
何処に連れて行かれるのか知らない遊戯は、スヤスヤと無防備に眠る
海馬は、遊戯の顔に触れながら冷ややかな蒼い瞳を向ける
自分の胸中に渦巻く黒い感情
それが何なのか解らないまま
このまま遊戯を壊してしまいたくなる