疑問-5-
※遊戯の言葉使いは女の子の言葉使いになっています。
遊戯が自分の事を「オレ」とは言わず「私」と言っています
それでもO・Kでしたら下へ行って下さい
「どうして・・・私の事好きでも無いのに・・・どうしてこんな事するの・・・」
生理的な涙なのか心からの涙なのか・・・
遊戯の紅い瞳が涙で揺れている
知りたかった・・・でも知るのが怖かった
遊戯のそんな問いに海馬は、返す答えが無かった
考えなかったワケでは無い
海馬だって自問自答はしていた
でも答えが出なかった
「煩い!貴様は俺に感じていればいい」
何時もより激しい責め苦
遊戯の僅かな理性が消えて行く
抱きしめたいのに・・・
両腕は拘束されて目の前に居る男に抱きつく事が出来ない
遊戯の両手は、空を掴むかの様に握られては開く行為を何度も行なっていた
意識無く眠る遊戯の頬を海馬は撫でていた
「どうして・・・私の事好きでも無いのに・・・どうしてこんな事するの・・・」
行為の最中に遊戯に問われた事に海馬は答えを探そうとしていた
学校で遊戯が友に見た笑顔・・・
それが許せなかった
自分は、遊戯の笑顔なんて見た事が無い
何度躰を重ね様とも
自分に見せる遊戯の顔は恐怖と怒り・快楽に溺れた表情・・・
ああ・・・貴様の快楽に溺れた表情を見れるのは俺だけなんだな
ククク・・・この海馬瀬人ともあろう者がこんなちっぽけな女に振り回され様とは・・・
頭を抱え苦笑する海馬
俺は、貴様の全てを手に入れたいのだな・・・
だがそんな感情を俺は、認めない!
遊戯は、自室のベッドの上でボンヤリと自分の手首を眺めていた
学校を抜け出した事に対して海馬の秘書が何かしら理由を付けてくれていたので
母や祖父からの御咎めが無かった
どうして海馬は、あんな事を・・・
手首に着いている痕を見ながら涙が溢れてくる
辛い・・・
海馬の事・・・あんな酷い男の事何で好きになったんだろう?
もう忘れなきゃ
どんなに誘われても今度こそ断ろう
友達には悪いけど・・・もう・・・ダメ・・・
脳裏に過るのは友の姿では無く何故か海馬の姿
友達を盾に自分の躰を好き勝手にしていた男
最低な男なのに・・・それでも好きと言う感情だけは、どうする事も出来なかった
海馬に着けられた所有印が消えて行く・・・
鏡越しに着けられ薄くなった所有印に触れてみる
あれから海馬からの誘いは無い
海馬の事を思い出すだけで躰の芯が熱く疼いてくる
海馬に仕込まれた躰
意識をしっかり持っていないと流されてしまう
指が胸に下肢に向ってしまう・・・
海馬の元に行ってしまいそうになる
元気の無い遊戯に舞と杏子が
「あんた最近どうしたのよ?肌の艶が無いよ?
悩み事あるんなら言ってみな気持ちが楽になるから」
「まぁ解決策が出るとは言えないけどね」
学校の中庭
遊戯は、胸の内にしまっていた気持ちを舞と杏子に打ち明けた
「友達を盾にHな事するなんてそれって最低じゃん!」
「アル意味不器用なのかも・・・」
「・・・で遊戯は、どうしたいのさ」
「舞達には申しワケ無いけど海馬との関係を絶ち切りたい・・・」
胸に着けられた所有印は、既に消えている
きっと海馬に捨てられたんだ・・・
きっと素的な女性を見つけたんだ
胸がズキズキと痛い
「申しワケ無いってどう言う意味?遊戯アンタあたし達を舐めてない?」
両頬を舞の手に挟まれる
「あたしも杏子も退学なんて怖くないんだよ」
「そうそう寧ろ夢に向って自由に動く時間が出来ていいのよ」
ダンスのレッスンに打ち込めると言う杏子
「本当に嫌なら断ったてイイのよ」
「ありがとう舞・・・杏子・・・」
胸のつっかえが取れて気持ちが楽になる
「も〜何泣いんのよ」
今迄胸の中に仕舞っていた思いを打ち明ける事によって気持ちが楽になり遊戯の瞳から涙が溢れ
出して来たのだ
「よっぽど辛かったのね」
杏子は遊戯を優しく抱きしめた
暫く泣いた遊戯
胸のつっかえも無くなりその表情は、何だかスッキリしていた
「ねぇ 遊戯は社長の事どう思ってるの?」
「えっ・・・」
どう・・・って言われても・・・あんな酷いヤツなのに今も好き・・・ううん・・・あんなヤツ大嫌い・・・
「舞さん あんな最低男嫌いに決まってるじゃない」
「だってさぁ 社長が遊戯にした事は許される事じゃないし杏子の言う様に最低男だけど
遊戯は社長の事どう思ってるのかなぁ〜って不意に思ったのよ」
「き・・・嫌いだよ・・・」
緊張する・・・
何でこんなに緊張するの?
「ウソ」
「ウソじゃないよ!!」
舞の一言に遊戯は焦る
「だったら何でそんなに辛そうな顔するの?
本当は、好きなんじゃないの?」
うっ・・・
言葉に詰ってしまう
本当の事なので言い返しが出来ない
「この際だからアタシ達の前で本当の事言いなよ」
他言しないから
「・・・好きだよ・・・」
暫く黙っていた遊戯だったが何とか小声で言えた一言
「何時から好きだったの?」
「入学式の時・・・背が高くてカッコ良くて・・・一目掘れだったの・・・」
その時は、他の女の子達と同じ様に外野で騒いでるだけだった
まるで好きなアイドルを傍で見ているのと同じ様に
でも本当に好きになったのは、その後だった。
学校の帰り他校の男子生徒に絡まれている時だった
怖くて怖くて逃げ出したいのに躰が震えて足が思う様に動かなかった
レイプされるんじゃ・・・と思った
本当に怖かった
でも海馬が助けてくれた・・・
たまたまその近所で行なわれていた海馬Co.主催のイベント
そのイベントが終わり帰路につこうとした時
数人の男に路地裏に無理矢理連れて行かれる遊戯を見かけたらしい
多勢に無勢・・・それが気に入らなかった海馬
何時もなら我意に介せずなのに自分と同じ学校に通う者が酷い目に遭わされるのも気に入らない
あっと言う間に地面に這いつくばる男達
声が震えてなかなか礼が言えない
「貴様何時までそこに居るつもりだ?」
好きで居たいんじゃ無い恐怖から動けないんだ
何時までも動かない遊戯を海馬は抱え上げ
「貴様の家は何処だ?」
「え・・・?」
「送って行ってやる」
ぶっきらぼうな言い方
「あっ・・・で・・・でも・・・」
自分で帰れる と言おうとしたら
「腰が抜けているんだろ?」
の一声
本当の事なので言い返しが出来ない
そんな海馬の言葉に甘え遊戯は送ってもらう事にしたのだ