疑問-9-

戯の言葉使いは女の子の言葉使いになっています。

遊戯が自分の事を「オレ」とは言わず「私」と言っています

それでもO・Kでしたら下へ行って下さい











































憂鬱な気持ちだった・・・

そんな状態のまま数日が経つ

一向に元気を取り戻さない遊戯に舞と杏子はカラオケとかに誘ってくれる

でも・・・2人には申しわけないけど楽しいとは思えない

たぶん今は何をしても楽しめないと思う

アレからも何度と無く自慰に走りそうになった

その都度 架空の海馬が現れては自分を見下し罵声を浴びせる

それが精神的な負担となってきているのだ

どうすればこの精神的苦痛から解放されるのだろう?

いい加減楽になりたい

このままじゃ躰を壊してしまう

 

憂鬱な気持ちを抱き抱えたまま遊戯は下駄箱で上履きを出していると

廊下まで響き渡る歓声が・・・

背筋に嫌なモノが這い上がってくる

この歓声は、きっと彼が来ているのだろう

海馬は、モテルから・・・

教室に行けば人垣の山なんだろう

今日は教室に行きたくない

帰りたい・・・

いっそうの事このまま帰ってしまおうか?

そうすれば彼の顔を見ないで済む

でもそこは簡単に行かない

「おはよ〜遊戯」

「あっおはよう・・・杏子」

まさかこんな所で友達に逢うなんて・・・

まぁ仕方が無いと言えば仕方が無い

だってここは下駄箱

ここで上履きと靴を履きかえるのだから

「遊戯 どうしたの?早く教室に行こう?」

「あ・・・うん・・・」

出来る事なら教室に行きたくない

寧ろ帰りたい

帰れないまでも保健室あたりに行きたい

彼の目の届かない場所

自分の目に彼が写らない場所

 

「遊戯 アンタ逃げる気でしょ?」

その一声にビックっとしてしまう

「あっ舞さんおはよう〜」

「おはよう杏子 遊戯逃げても無駄だと思うよ 

今逃げきれたとしてもこの先社長が登校する度にず〜と逃げてばかりじゃどうしようもないじゃない

それにこの前社長と逢って別れ話ししてきたんでしょ?」

「舞さん どうして海馬が来てるって知っているの?」

彼女は遊戯より後から来たのだ

「ああ その事ね 獏良からメール来たのよ 社長が登校して来たってね

さぁこんな所で長話してたら他の人に迷惑だから早く教室に行こう」

舞に連れられ教室に行けば

海馬の席には女の子によって作られた人垣が出来ている

 

このまま彼に気付かれる事無くホームルームが始まりますように

 

心の中で祈ってしまう

「おう 遊戯おはよ〜」

「おはよう本田君」

何気ない挨拶・・・ガタ・・・

「ちょっと失礼・・・」

女の子の間を縫って自分に近付いて来る海馬

気付かないフリをしてカバンから筆記用具を出そうとする

 

このまま私の所に来ませんように・・・

 

そう祈りながらも心の何処かで彼が自分の所に来るのを期待してしまう

「遊戯」

えっ・・・???

名前を呼ばれ海馬の方を振り向けば

「貴様に用事がある付いて来い」

そう言いながら遊戯の腕を掴み無理矢理教室の外に連れ出そうとする

学校では「武藤」って呼ぶのが暗黙の了解の筈 

だから自分も海馬の事を「海馬君」と呼んでいた

それなのにどういう心境の変化なのだろ

 

「舞〜!!杏子〜!!」

親友の名前を情けない声で呼び助けてもらおうと試みると舞は自分を助け様としてくれている

杏子の腕を掴み片手を振りながら笑顔で見送ってくれているでは無いか!!

その光景を目の当りにし思わず脱力をする遊戯

脱力した遊戯をここぞとばかり引っ張る海馬

クラスに居た女子生徒の歓喜と言うか妬みと言うか「きゃ〜」と言う声が煩いまでに上がっている

まぁ・・・海馬に好意を抱き彼の恋人になりたがっているのだ仕方が無いと言えば仕方が無い・・・

 

「舞さん遊戯を助けなくてイイの?」

「イイのよ だって社長さんの顔見てたらもう遊戯に対して無茶をしないだろうし」

まぁ相手が社長と言う事でなかなか逢えないだろうしデートの反故だって有りえる

でも今迄の様な事はしないと思う

だってあれだけフッ切れた顔されたんじゃね

ああ・・・それにしても自分の娘を嫁に出す心境だわ

「親心って複雑ね」

ボソっと言う舞それが聞こえたのか杏子が肯いている

「明日来たら大変な事になっていそう・・・」

「明日登校出来たらの話ね」

「えっ・・・」

「それより遊戯のカバン隠さないと」

遊戯の机の上に置かれたカバン

きっと後で海馬の部下が引き取りに来るだろうけどソレまでの間隠しておかないと・・・

 

 

 

 

グイグイ海馬に腕を引っ張られる遊戯

教室以外でも女子生徒の悲鳴に似た声と好機の視線に晒される

まるで自分達の関係が公認されていってる感じがする

 

公認・・・?

まさかそんな事有りえない

今迄自分達の関係を隠してきたのだ

それにこの前その関係にピリオードを打ったのだ

今更ながら有りえない

でも・・・もしかしたら・・・

 

少しの期待が胸を過る

もしかしたら海馬は自分を恋人として見てくれているのだろうか・・・と

「海馬・・・腕痛い!離して」

それでも抵抗を試みるが

「煩い 貴様は黙って俺に着いて来ればいい」

着いて来れば・・・って腕を掴んで引っ張られている以上着いて行くしかないのだが・・・

遊戯の脳裏には先日の事が思い出されるのだ

海馬に呼ばれノコノコと着いて行ったばかりに睡眠スプレーを浴びせられ意識を失い

拉致され連れて行かれた先は海馬邸の海馬の私室・・・

そこで自分の両腕は、縛られたまま犯された

 

元々行為事態互いの同意の上でやっていたワケではない

脅迫の上での行為・・・

でも彼に好意を抱いていた遊戯は、それでも彼と一緒に居られるなら・・・と思っていた

でも時が流れるに連れ虚しくなっていたのだ

 

「何処に行く気よ」

「来れば解る」

来ればって

既に下駄箱を越え校門まで引っ張られている

校門前に止められている黒塗りの車

後部座席側の扉が開けられ遊戯は無理矢理乗せられた 

緩やかに発車する車

 

車窓を流れる景色

遊戯は自分の隣に座る男の顔を車窓に写し見る

薄くなったとは言え未だ目許に残るクマ

頬も少し扱けている

でも前見た時よりは、だいぶイイ・・・

あの時は病人を見ている気持ちだったから

「車窓越しに俺を見るな」

自分に目もくれず自信げに言い放つ男に対し

「別に貴方なんか見てない」

御魔化すしかなかった

 

気の所為だろうか海馬の機嫌が良い様に思える

 

海馬は後部座席の隅に座る遊戯の肩を抱き自分の躰が触れる距離まで寄せる

「なっ・・・!!!」

海馬の行動に遊戯の顔が真っ赤になったのは言うまでも無い

 

恥かしい・・・でも・・・

 

海馬が着けているコロンの匂いがする

肩に置かれた手が温かい

このまま時間が止まればいい・・

 

「何処に行くの?」

学校内に居た時訊ねた事だがもう一度訊ねる

「屋敷に向っている」

屋敷?

まさか・・・

遊戯の脳裏に浮かんだもの

それはベッドの上で行為に及ぶ自分達の姿

もしかして自分は性欲処理の為に?

それを問う勇気が持てない

もし肯定されたら嫌だから・・・

 

遊戯・・・貴様は俺のモノだ

俺から離れ様なんて許される事では無い


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