月華双月 -Vol.7-
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微笑むキサラの脳に直接話し掛けて来る声 
彼女は周りに悟られない様に扉の方を見た。
数分前 海馬は屋敷に戻って来た。
執事に来客の有無を確認したが来客は無いとの事 
では一体どうやって屋敷内に入って来たと言うのだ?
まさかテラスから?
しかしこの屋敷のセキュリティは万全の筈では?
否 侵入は可能だ  現にセキュリティを解除していない
中庭を通って遊戯が目的の場所に向かっているのだ。
遊戯自身に何処にどういう仕掛けがしているのか
知らせていない どこかに盲点があると言う事  
海馬は己の気配を消し中の様子を探ろうとした
確かにモクバ以外の気配を感じる 
しかし何かをしている様には感じられ無い
用心の為に懐に隠していた銃に手を出す。
銃を手に決心して扉を蹴り開け室内に 
そこで目にした光景に我が目を疑った。
海馬が室内に入って来て驚きはしたもののモクバは咄嗟に
海馬を守る様にユギに攻撃態勢をとった。
「・・・ユギ  貴様が何故ここに・・・」
驚きを隠せ無いでいる海馬にユギは笑顔で
「久しぶりだねセト   君に用が合って来たんだよ」
探したけど・・・と付け加えて  海馬が室内に入ったのを気配で
感じ遊戯もテラスから室内へ・・・
そこに居た人物に向かって 
「相棒どうしてここに?」
「もう一人の僕こそどうして?」
ユギの言葉に更なる驚きを受け海馬の躯が微かにだが震えていた。
「貴様等グルだったのか?」
腹の底から響く低い声 
周りの温度が急速に下がっていく様だ。
そんな海馬に恐怖を抱きながら遊戯は
「一体何がどうなっているんだ!!」
混乱する頭を抱えてると
「遊戯・・・君があの時モクバ共々逃がしたセトが彼なんだよ・・・」
優しく抱き締めるユギの温もりに少し安堵した。
そして海馬の方に向き直ると
「お前・・・本当にセトなのか?」
肯定も否定もしない海馬・・・
そんな海馬を背にモクバが
「遊戯様あの時教えて頂けなっかた理由を今ここで教えて下さい!」
セトの悲しみや苦しみを傍で感じ続けていたモクバの悲痛なる声・・・
あの時 自分もセトと共に行きたかった。
セトと同じ様に自分も悲しみ苦しんだ
海馬も冷たい眼差しのまま遊戯を見た。
今迄自分に向けられた事の無い冷たい瞳に遊戯は、セトの心が自分から
離れていると思った。
それなら一層の事 真実を告げるまい・・・
真実を告げ彼の心を乱す必要なんて無い・・・
そう思い
「理由なんて無いぜ」
とだけ告げテラスから出て行こうとした。
しかしそれは、ユギによって阻まれた
「何故!!真実を告げないの?このままでいいの?僕は、嫌だよ!!
あれは、セトを護る為だったのに!!」
「これ以上言うな!!相棒には関係無い事だぜ」

俺の為に・・・?遊戯王子があの時俺から離れて行ったのは、俺を護る為?
遊戯王子は、一体何から俺を護ろうとしたのだ?

「セト様 遊戯様は、今尚セト様の事を想ってらっしゃるんですよ
あの時のまま・・・
遊戯様 セト様も今尚あの時のまま遊戯様の事を想ってらっしゃいますよ」
微笑みを絶やさないキサラの言葉・・・
「ユギ様このままでは、遊戯様は真実を御話しにはなりません
ユギ様が代弁してあげた方が宜しいのでわ?
それに立ち話もなんですからソファに座って御話ししましょう」
促されるままソファに移動する面々

「さぁて話してもらおうか」
「もう1人の僕と君との仲を良く思わない連中が居たんだ・・・
事ある事に彼等は、君と遊戯の仲を引き裂こうとした。
それは、国王の力を借りてでも実行しようとしていた。
でもそれは、失敗に終わり国王の力を借りる事が出来ず
彼等が最終に取ろうした行動が君の暗殺だった。」
遊戯は、俯き何も答え様としない
何かに耐える様に・・・
「俺は、暗殺に怯えたりしない」
小さく囁かれる言葉・・・
その言葉は、遊戯に聞え
「解っている・・・お前なら命に代えてでも戦う事を選ぶだろう
もしお前の身に何かあればと想うと
オレには、堪えられない・・・」

バン!!・・・・
海馬は机を叩き遊戯の発言を中断させた
「貴様!!この俺が暗殺者如きに負けるとでも?」
「負けるとは、思いたくない・・・
それでもオレにはお前に生きていて欲しいと願うのは
駄目なのか?オレがお前を護りたいと想うのは駄目なのか?
好きだからこそお前に憎まれる事を覚悟の上でとった行動だ!」

遊戯・・・今何て言った・・・
俺の事を好き・・・

「俺は、貴様が皇太子妃を娶ったと聞いた。
俺が邪魔になったから俺を切り捨てたと思っていた」
海馬の予想外な言葉に
「オレは、皇太子妃なんて娶ってないぜ
セトの方こそ人間を妻に娶ったって聞いたぜ」
「何!!俺は妻なんか娶ってないぞ」
「キサラこれは、一体?」
「セト 皇太子妃を娶ったのは僕の方だよ」
驚くユギ・・・
そこに突如現れた黒い影・・・
「貴方方双方が妻を娶った事にしなければ互いが惹かれ合うままに
行動したでしょ?
遊戯様 お久しぶりです。」
深々と頭を下げる相手に遊戯は、
「[ブラック・マジシャン]!!」
その名を呼んだ。


久しぶりに書くと何が何だかワケ判らん状態に・・・
考えてた内容と幾分と言うか思いっきりと言うか違うモノに
なってきてる・・・(-_-;)



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