月華双月 -Vol.8-
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「俺達の為って一体どう言う事なんだ?
解るように説明してくれ」
必死な顔の遊戯
ブラック・マジシャンは、頷きながら
「遊戯様 貴方様は、セトが居ない生活を送る自信はあったのですか?」
ブラック・マジシャンの問い掛けに遊戯は、暫し黙って考えたが
「否・・・きっと無理だったと思う
セトが結婚したと知りオレは、自分の気持ちを抑える事が出来た。」
そうセトを護る為に彼をモクバと逃がした。
でも彼の居ない生活は、寂しく辛いものだった。
彼の傍に居たい・・・
今一度 彼に抱き締めて欲しいと思った。
しかし彼が結婚したと聞いた時
ショックだったが彼の事を諦めようと思った・・・無理なのは解っていたが
それでも彼に逢いに行きたいと思わなくなったのも事実
彼が幸せならそれでいい・・・
「[ブラック・マジシャン]遊戯がセトに逢いに行きたいと思う行動は、確かに
結婚と言う嘘で遊戯の行動を止める事が出来るけど
それでも何故セトにまで嘘を?」
「セト様も遊戯様と同じ行動に出る可能性があったかもしれない・・・
そう思ったんじゃないのかな?」
長年セトの側近をしていたモクバ・・・
それ故にセトがどんな行動にでるのか手に取るように良く判っていた。
ブラック・マジシャンがモクバの言葉に頷く
「だったら何故今頃になって俺と遊戯を引き合わせる!」
「僕や杏子そしてジョーノと相談したんだ
このまま遊戯を月華に置いて置けないって彼には幸せになって欲しいって
王族が地球で留学するのはセトも知っているよね
そしてその留学期間が過ぎれば生涯 月華の世界から出る事は、無い・・・
僕達のラストチャンスなんだ!」
叫ぶ様な声
「相棒・・・」
「御免ね 遊戯・・・君に言えばきっと反対すると思ったんだ・・・」
「貴様等の都合で俺を巻き込むな!」
セトの怒りも尤もだと思う
自分を護る為だとは、言え遊戯は自分を裏切ったのだ
「オレはセトをこれ以上巻き込むつもりは無いぜ・・・
留学期間が終わったらオレは月華に帰る」
「そんな!!月華に帰れば君自身どうなるのか解っているのでしょ?
君の人格が無くなるなんて僕は、嫌だよ」
「フン・・・たかだか月華に帰るだけで遊戯の人格が無くなるだと?
馬鹿馬鹿しい」
必死に遊戯を説得するユギに海馬は、呆れ表情だ
「セト様 このまま遊戯様が他の男のモノになっても良いとおっしゃるのですか?」
今迄黙って聞いていたキサラがセトに質問した。
「遊戯様は、月華では極稀にしか誕生しない体質なのは御存知ですよね?
王族では、珍しく双子の皇子・・・」
回りくどい言い方に海馬は、苛立ってきた
「キサラ 何が言いたい?」
「遊戯様は、神殿奥深くに幽閉されて犬神にされてしまわれるんです。」
王になるのは、1人だけでいいのだから・・・
王族は、神に尤も近き存在
そして男の身で子供を宿す事が出来る体質・・・
犬神・・・その言葉にセトは、大きく見開く
「馬鹿な・・・」
犬神は、神に捧げる巫女を産み続けなければならい
その為には、毎晩いろんな男に抱かれ続ける・・・
産み落とされた巫女は、儀式の度に生贄として使われる
しかし数百年の間 男の身で子供を宿す事が出来る皇子が生まれて来なかった所為で
儀式は、中断されていた。
そして数百年ぶりに生まれた子を宿す事が出来る皇子・・・
「遊戯・・・貴様もしや犬神をあまんじて受ける気では無いな?」
声が震えてしまう
「それが月華で生きるオレの人生なら受け入れる気だぜ」
笑顔で答える遊戯
しかしその笑顔は、寂しそうで今にも泣き出すのでは・・・と思わせるものだった。
「セト様 俺・・・遊戯様がそんな扱い受けるなんて嫌だよ・・・
[ブラック・マジシャン]何かいい方法は、無いの?」
「無い訳では、ありません」
縋るモクバにブラック・マジシャンは、優しく答えた。
「[ブラック・マジシャン]本当に何かいい策があるの?
僕に協力出来る事があるのなら言って!!」
「相棒では、無理だぜ・・・
オレが犬神にならないで済むには、地球人の協力が必要なんだ・・・」
「遊戯 貴様は、知っているのか?犬神にならないで済む方法を!」
コクンと頷く遊戯
「オレが地球人の子供を身篭ればいいんだ・・・」
月華人は気位が高い
それ故に他民族の血が入る事を忌み嫌う
それが王族なら尚更だ
しかし遊戯自身は、男故に地球人がそうそう協力するとは、思えない
協力してくれるとしたらよっぽどの物好きだろう
しかし
「それなら問題ありませんわ」
と言うキサラ・・・
何が問題無いと言うのだろうか?
「クスクス・・・セト様 貴方様は、既に地球での地位を固められていますわ
誰も貴方様が月華の者だなんて思いませんし地球人は、月華人の存在を知りませんもの
月華人もよもや貴方様生きている何て思っても居ないでしょうし
そんな貴方様の子を遊戯様が身篭ってしまえば犬神にならなくて済むでしょ?」
海馬自身 遊戯を犬神にしないで済む方法が自分の子供を身篭らせる事だとは
思いもしなかった。
そして今の海馬には、迷いが無かった
「遊戯 ココに残り俺の子を生んでくれ無いか?」
「オレを犬神にしない為の策か?」
海馬からのプロポーズ・・・嬉しくない訳では無い
しかし自分が犬神としての役目から助ける為だとしたら・・・
そう思うと素直に喜べないでいた。
「もう1人の僕・・・」
「生憎だが月華人にそんな慈善事業なんてしたくもないね
俺は、あの時 貴様と共に生きたいと思った
その思いは、今も健在なんでね」
遊戯の紅い瞳が潤みだしそれは、そのまま涙となって流れ出した。
後日 月華の世界では、遊戯が地球人と結婚をし更に子供を身篭った事が王宮から知らされた
「そう言えば[ブラック・マジシャン]俺達が独身だった頃
何故 俺達の未来が解ったんだ?」
[ブラック・マジシャン]は、キサラや[ブラック・マジシャンガール]共々 海馬邸に居た。
「貴方様の身を案じ運命の三女神に協力してもらっていたのですよ」
あ〜やっと終わった〜!!一応ここが最終回です。
と言うかなんちゅう終わらせ方やねん・・・
でも私の脳では、ココまでが限界です。
そしてココまで読んで頂き有難う御座います。